2024.06.11[火]
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隈研吾氏は、地域の環境や文化に溶け込む建築を目指し、工業化社会後の建築のあり方を追求しています。
隈氏が姫路での制作で注目したのは、 地元の鍛冶師・明珍宗敬氏が作り出す和釘です。
機械に頼らない鍛造技術で 1 本ずつ生み出される明珍氏の和釘は、姫路城の修理にも使われています。
《 くぎくも 》 は、この和釘をまるで宙に浮かんでいるように表現し、その美しさを最大限に引き出します。
特設サイト「隈研吾氏アーティストトークも是非お読み下さい
http://www.shosha.or.jp/feature24/
隈研吾氏は、粒子や細胞のように小さな単位が集まったり離れたりすることで得られる生物的な「流れ」や「しなやかさ」を大切なテーマの一つにしています。
《 くぎくも 》 は、「散逸構造」と呼ばれる化学理論を手掛かり に 、姫路藩お抱えの甲冑師であった明珍家の現当主である鍛冶師・明珍宗敬氏が制作する「和釘」を素材として、そうした隈研吾の考えを視覚化する作品です。
国の重要文化財である圓教寺・摩尼殿を設計した武田五一 は、隈 研吾に影響を与えた 建築家です。
摩尼殿を見上げる茶店「はづき茶屋」の名は、圓教寺開基・性空上人と和泉式部の出会いを取り持った伝説がある和歌の一節「山の端の月」に由来します。
はづき茶屋は、もとは参籠者が身を清めるための湯屋があった場所に建っています。湯屋は休息の場でもあり、今日のはづき茶屋同様、憩いと交流の場であったと考えられます。
このプロジェクトでは、そうした様々な時を超えた出会いをもとに、隈研吾がはづき茶屋の将来像を描きます。